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胎位異常・回旋異常[私の治療]

登録日: 2025.12.15 最終更新日: 2025.12.15

竹田 純 (順天堂大学医学部附属順天堂医院産科・婦人科准教授) 竹田 省 (順天堂大学医学部附属順天堂医院産科・婦人科客員教授)

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胎位異常とは,胎児の縦軸と子宮の縦軸の関係から,頭位以外の骨盤位,横位,斜位を言う。回旋異常とは,児頭の第1回旋や第2回旋が正常と異なるもので,分娩遷延や停止となりやすい。いずれも器械分娩や帝王切開術になることがあり,適切な管理が必要となる。

▶診断のポイント

胎位はレオポルド触診法や超音波断層検査で診断する。児頭の回旋は内診で診断するが,産瘤などでわかりにくい場合は経会陰超音波検査などを用いる。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

【骨盤位】

外回転術および経腟分娩の禁忌がない場合は外回転術を提示する。1%未満ではあるが外回転術で胎児機能不全をきたすことがあるため早産時期では行わず,実施は妊娠37週以降とする。また,胎児機能不全が稀に起こることから,実施場所は緊急帝王切開術が可能な手術室で行うとよい。外回転術の成功率は報告によっても異なり,60~80%前後とする報告が多いが,その成功率を高めるには子宮収縮抑制薬の投与と脊髄幹麻酔(脊髄くも膜下麻酔,硬膜外麻酔,もしくはその併用)が重要である。外回転術実施の際には妊婦,術者共に胎児が回ってほしいという気持ちが強く,施術が長時間に及んでしまうことがある。多くの場合,5分以内に外回転を完遂できるため,タイムキーパーを決め実施時間の上限を設けることも重要である。実際の方法は①児の臀部の骨盤内からの挙上,②児の回転,③児の頭部の骨盤内嵌入,からなる1)

経腟分娩の条件は,37週以降,単殿位もしくは複殿位,超音波検査で胎児に異常がないこと,臍帯下垂や潜在性臍帯脱出がないこと,推定児体重が2000~4000gで骨盤が十分広いことである。リスクを十分理解して経腟分娩を望む場合,ダブルセットアップ(緊急帝王切開術決定時に既に準備ができている状態)で熟練した医師のもとでの管理が条件となる。これらの条件を満たさなければ帝王切開術を選択する。


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