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女性に備えられた性の力、「産む力」に敬意を!(善方裕美)[プラタナス]

登録日: 2025.12.11 最終更新日: 2025.12.12

善方裕美 (よしかた産婦人科院長)

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2018年、WHOは「ポジティブな出産体験のための分娩期ケア」というガイドラインを22年ぶりに改訂しました。これを世界各国で達成すべく、国際産婦人科連合(FIGO)をはじめ5団体が先導して、国際出産イニシアティブ(International Childbirth Initiative:ICI)という枠組みが設立されました。当院は関東圏で初めてICI認証施設となったことからご指名を受け、2025年に岡山県で開催された日本産科婦人科学会学術講演会の特設ブースで展示発表を行いました。

私は約30年間、地域の周産期診療に携わる中で、妊産婦さんを取り巻く情報と社会の変化を肌で感じてきました。新生児を時間で管理する人工栄養から、生理的な自律授乳を重視する母乳育児への変遷。ラマーズ法などの呼吸法の流行、ご家族の立ち合い分娩や生まれたばかりの赤ちゃんをママが胸に抱くカンガルーケアの広まり。これらは皆、妊産婦さんと赤ちゃん、ご家族の人権を尊重し、医療的管理の名のもとに縛りつけてはいけないという必然的な潮流でした。


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