amyopathic dermatomyositisの診断と治療のポイントについてご教示下さい。
聖路加国際病院・新井 達先生にご解説をお願いします。
【質問者】
天羽康之 北里大学医学部皮膚科学主任教授
【回答】
【筋症状がなくても特徴的な皮疹があれば,特異抗体確認を行う。外用難治例では内服薬も選択肢に入る】
皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)は,皮膚症状と筋炎を特徴的とする膠原病の1疾患です。筋炎を伴う定型的なDMであるclassical DM(CDM)と,診断後6カ月以上筋症状を伴わないclinically amyopathic DM(CADM)の2群に分類されます。CADMはさらにamyopathic DM(ADM)とhypomyopathic DM(筋酵素上昇や筋電図の筋原性パターンはみられるが,筋症状はない)の2群に分類されます。すなわち,ADMは皮疹を主訴として患者が来院するため,脂漏性皮膚炎などの湿疹皮膚炎と見誤らないように注意する必要があります。
2017年に欧州リウマチ学会/米国リウマチ学会(EULAR/ACR)から発表された最新のDM診断基準に含まれる皮膚症状としてヘリオトロープ紅斑,Gottron丘疹,Gottron徴候の3項目が記載され,2項目を満たせばADMと診断できます。しかし,ADMと診断された患者の26%が上記診断基準を満たしていなかったとの報告1)がありますので,代表的な3項目以外の皮膚症状2)についても知る必要があります。