日常診療でしびれや痛みを主訴とする末梢神経障害(ニューロパチー)を経験しますが,どのように鑑別を行うべきでしょうか。特に注意すべき病態をご教示下さい。また,神経生検が診断に有用な病態についてご教示下さい。
佐賀大学・小池春樹先生にご解説をお願いします。
【質問者】
植田光晴 熊本大学大学院脳神経内科学講座教授
【回答】
【末梢神経障害の原因は数多くあるが,特に神経生検が有用な病態としてアミロイドーシス,リンパ腫,サルコイドーシスなどがある】
ニューロパチーはしびれや痛みを主訴とする場合が多く,様々な原因で生じることが知られています。病態に応じた治療が可能な疾患が多いことから,不可逆的な変化が生じる前に原因を明らかにして治療介入することが重要です。原因は,病歴,症候,血液・脳脊髄液検査所見,画像所見,電気生理学的所見,病理学的所見などに基づいて総合的に診断します。
ニューロパチーは電気生理学的および病理学的な観点から,大まかに脱髄性ニューロパチーと軸索変性性ニューロパチーに分類されます。