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■NEWS マイナ保険証、7割の医療機関でトラブル「従来の保険証並行利用を求める」─保団連

登録日: 2025.12.02 最終更新日: 2025.12.03

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全国保険医団体連合会(保団連)は11月27日に会見を開き、「2025年8月以降のマイナ保険証利用状況に関する実態調査(中間報告)」の結果を発表した。調査結果から、マイナ保険証が窓口での対応をはじめとした現場の業務負担を著しく増大させている実態が浮き彫りになった。医療機関の負担軽減や患者側の不利益を避けるため、保団連は従来の保険証との並行利用を引き続き求める考えだ。

実態調査は後期高齢者医療保険制度・国民健康保険制度における従来の保険証の有効期限を迎えた8月以降の利用状況についてアンケート形式で実施。31都府県の保険医協会・医会の会員医療機関を対象とし、有効回答数は9580件だった。

マイナ保険証の利用率は、約半数の医療機関で37.14%にとどまり、全体として利用率の低迷が続いていることが分かった。資格確認情報でのトラブルは全体の約7割(6690施設)に上り、1年前の前回調査からまったく改善が見られなかった。

具体的なトラブルの内容としては、情報が「●(くろまる)」で情報が表示される(77.2%)、カードリーダーなどの機器の接続不良(48.1%)などがあるが、後期高齢者の保険証有効期限切れ後の8月以降は、『有効期限切れ(45.1%)』によるトラブルが24年8月から9月にかけて実施した前々回の調査と比べ2倍に急増しており、新たな混乱要因となっている。

■システム不備が経営にも影響

システムの不備は現場の業務の手間を増やすだけでなく、医療機関の経営や患者の受診にも影響を及ぼしている。保険資格情報の変更があった場合に即時反映されない『タイムラグ』が一ヵ月以上生じ、患者が保険資格を持たない状態として処理せざるを得ないケースも報告されている。その場合、「患者側に診療報酬10割をいったん支払ってもらう」、「患者の保険情報が不明なままレセプト請求する『不詳レセプト』」などで対応をしているが、その後保険者への請求が認められず、その差額の7割を医療機関が負担する事例が442機関で828件発生している。

■保団連「従来の保険証の並行利用を」

今回の調査結果を受け、保団連は「現状のままでは医療機関の円滑な運営が困難」と強く訴え、資格情報確認の失敗による現場の負担増、患者が不利益を被る事態を避けるため、今後も国に対し、マイナ保険証と従来の健康保険証を並行して使える状況を維持するよう求めていく方針だ。


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