検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

末期がんでホスピスを紹介された癌性腹膜炎の患者さん~治療可能ながんを見逃さないで~(勝俣範之)[プラタナス]

登録日: 2025.11.27 最終更新日: 2025.12.04

勝俣範之 (日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授,部長)

お気に入りに登録する

患者は79歳、女性。主訴は腹部膨満感です。2カ月ほど前から腹部膨満感があり、都内の某病院を受診されました。腹水の貯留が認められたため、精査入院となりました。腹部単純CT()では、腹水の貯留に加えて大網の肥厚がみられ、腹膜播種・癌性腹膜炎と診断されました。その後、腹水穿刺と細胞診の結果から腺癌と診断されました。腫瘍マーカーはCA125 1369U/mL、CEA 3.2ng/mLを示しており、原発巣を探すため上下部消化管内視鏡検査、乳腺エコー、マンモグラフィー検査が行われましたが、異常はありませんでした。さらに、婦人科と泌尿器科での診察も行われましたが、原発巣は特定されませんでした。

主治医は原発不明がんと診断し、患者とご家族に余命は数カ月であることを告げました。予後が悪いことと高齢であることを考慮し、化学療法は勧めずホスピスを紹介しました。


1 2