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原発開放隅角緑内障・正常眼圧緑内障[私の治療]

登録日: 2025.12.01 最終更新日: 2025.12.01

齋藤 瞳 (東京大学医学部眼科学教室講師)

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網膜神経節細胞の障害により,視神経と視野に特徴的変化を有し,通常,眼圧を⼗分に下降させることで視神経障害を抑制しうる疾患。隅角(眼内の房水流出路の入り口)が開いていれば原発開放隅角緑内障,開放隅角かつ治療前眼圧が21mmHg以下であれば正常眼圧緑内障と分類される。

▶診断のポイント

視神経乳頭の辺縁部の菲薄化,乳頭周囲の網膜神経線維層の菲薄化,および対応する部位の視野感度低下を認める。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

40歳以上の開放隅角緑内障の有病率は4%程度であり1),外来で遭遇する頻度の高い疾患である。緑内障と診断された患者が全員視機能障害に至るわけではないため,初診時に眼圧が低く,視野異常が軽度であれば,無治療で定期診察をすることも一案である。初診時に眼圧が25mmHg以上もしくは中心視野にせまる視野障害がある場合は,速やかに眼圧下降治療を開始する。日本人の緑内障の大多数は正常眼圧緑内障であるため,眼圧が10mmHg台前半の低眼圧の患者も多いが,眼圧が低い症例に関しても現在エビデンスに基づいた有効な治療は眼圧下降のみである。


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