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【糖尿病診療ガイドライン2024】SGLT2阻害薬,GLP-1受容体作動薬は腎症の進行抑制に有効か?[ガイドライン・インフォメーション]

登録日: 2025.12.01 最終更新日: 2025.12.01

久米真司 (滋賀医科大学内科学講座糖尿病内分泌・腎臓内科教授)

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SGLT2阻害薬は,尿糖排泄を増加させ,血糖値を下げる血糖降下薬として開発されたが,その後の多くの大規模臨床研究により,顕著な腎予後改善効果が示された。

CREDENCE試験(カナグリフロジン水和物),DAPA-CKD試験(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物),EMPA-KIDNEY試験(エンパグリフロジン)の3試験により,SGLT2阻害薬は,レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬投与下で残存するアルブミン尿を減少させ,腎予後を改善しうることが証明された1)〜3)

このような背景から,今回のガイドラインでは,アルブミン尿を有する糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬の使用が推奨されることとなった。ガイドラインでの推奨はないものの,EMPA-KIDNEY試験では,アルブミン尿の程度によらず推算糸球体濾過量(eGFR)低下速度の改善が示されていることから3),高齢化を背景に増えるアルブミン尿のない腎機能低下に対する効果も同薬剤には期待される。ただし使用時には,膀胱炎や性器感染症への注意,シックデー時の中止の対応が必要である。


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