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維持血液透析の開始と継続に関する意思決定[私の治療]

登録日: 2025.07.04 最終更新日: 2026.02.21

三浦靖彦 (岩手保健医療大学成人看護学領域教授/同大学臨床倫理研究センター長)

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【慢性腎疾患(CKD)保存期における意思決定支援のポイント】

CKD患者に対する意思決定支援,ACPの実践においては,多職種が関わることを基本とする。CKDは保存期から長い年月を経て末期腎不全状態に至り,透析導入後も,長い療養生活を要することから,保存期の段階からSDMのプロセスを遵守した意思決定が繰り返されることが望ましい。治療法の理解・選択だけでなく,将来末期腎不全になることを想定したACP(その前段階の自身の生き方,生活に関する考え,つまりアドバンス・ライフ・プランニングも含む)が実施されていることが望まれる。

【腎代替療法が必要になった時期の意思決定支援のポイント】

腎代替療法が必要な時期に差し掛かった際には,血液透析だけでなく,患者の状況に合わせて,腹膜透析,腎臓移植,および腎代替療法を行わないことを意味するCKMについて,それぞれの利点・欠点を,患者の理解力に合わせて説明することが求められる。

【透析導入拒否または透析中止の希望が表明された場合の意思決定支援のポイント】

意思決定能力のある患者から,透析導入拒否または透析中止(いわゆるCKM)の希望が表明された場合には,特に以下のこと(5)について確認しておくことが望まれる。

上記の内容について情報を入手し,多職種によるカンファレンス(臨床倫理委員会や臨床倫理コンサルテーション等)で討議し,その詳細を診療録に記載し,必要に応じて病院弁護士とも相談する。

▶多職種連携のポイント

前述したように,CKD患者に伴走する上で,将来の医療行為の選択のみにとらわれず,多職種で関わり,患者の生活観・死生観についての聞き取りおよび話し合いを継続し,患者を全人的にとらえながら,その時々にあった意思決定を支援していくことが望まれる。

【文献】

1) 日本透析医学会統計調査委員会:日透析医学会誌. 2024; 57(12):543-620.

2) 透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言作成委員会:日透析医学会誌. 2020;53(4):173-217.

3) 三浦靖彦, 他:透析導入時における事前指示. より良いインフォームド・コンセント(IC)のために. 日本内科学会認定内科専門医会, 編. 日本内科学会, 2003, p254-8.

4) Miyashita J, et al:J Pain Symptom Manage. 2022;64(6):602-13.

5) 三浦靖彦:臨床倫理. 2018;6:80-3.

三浦靖彦(岩手保健医療大学成人看護学領域教授/同大学臨床倫理研究センター長)


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