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重症急性呼吸器症候群(SARS)[私の治療]

登録日: 2025.05.23 最終更新日: 2026.02.21

小林 治 (国立がん研究センター中央病院感染症部長/感染制御室長)

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重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome:SARS)は,2002年から2003年にかけて世界37カ国で患者発生が確認され,死亡率9.1%とされた呼吸器ウイルス疾患である1)。原因ウイルスであるSARSコロナウイルス(SARS-CoV-1)に対する検査キットおよび治療薬は承認されていない。SARSの感染経路は主に飛沫感染,接触感染とされていたが,エアロゾルが発生する場面では空気感染による伝播が発生し,その結果,感染者の21%が医療従事者であった1)とされるので,医療施設では厳格な感染予防策を講じるべきである。

▶診断のポイント

SARSは潜伏期が2~14日と長く,発熱,筋肉痛,咳嗽,倦怠感,頭痛といったインフルエンザ様症状で発症し,そのうち10%が重症化した1)2)

SARSが疑われる症状を呈した患者の流行地への渡航歴,臨床経過,病状から,疑義症例と判断した場合は,臨床診断により患者隔離とする。


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