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新生児遷延性肺高血圧症[私の治療]

登録日: 2024.01.23 最終更新日: 2026.02.21

向井丈雄 (東京大学医学部附属病院小児科)

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新生児遷延性肺高血圧症(persistent pulmonary hypertension of the newborn:PPHN)は,様々な要因により出生後に肺血管抵抗が低下せず,胎児期の肺高血圧状態が続く病態である。PPHNの発症率は,1000人の出生に対し1.9人と推定されている1)。遷延する肺高血圧により心房間交通もしくは動脈管を介した右→左短絡を呈し,それが続くことで全身の低酸素血症をきたす。
原因として胎便吸引症候群,呼吸窮迫症候群,重症新生児仮死,先天性横隔膜ヘルニア,先天性感染症,早産児における長期破水や慢性早剝羊水過少症候群などがある。また,母体の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用により,動脈管または卵円孔の早期閉鎖が起こりPPHNを呈することがある。

▶診断のポイント

【症状】

適切な人工呼吸管理下で100%酸素吸入でも全身の低酸素血症を呈し,心房間交通もしくは動脈管を介した右→左短絡を呈し,SpO2の上下肢差を呈することが多い。

【検査所見】

心臓超音波検査で,チアノーゼ性先天性心疾患が否定され,三尖弁逆流,心房間交通もしくは動脈管を介した右→左短絡を呈する。右心室が張っており,短軸像では右心室に圧排された左心室がD-shapeを呈する。肺高血圧による右→左短絡で静脈血が全身に流れるため,SpO2の上下肢差を呈する。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

PPHNと診断した場合,適切な人工呼吸管理設定を行い,心臓超音波検査での肺高血圧の程度を評価しながらSpO2を上下肢でみて酸素投与を行う。体動や啼泣が肺高血圧の増悪因子となりうるため,適宜必要な鎮静,筋弛緩管理を行う。また,体血圧の維持のためvolume負荷や昇圧薬を投与する。

100%酸素吸入下でもPPHNが改善せずSpO2が維持できない場合,一酸化窒素吸入療法(iNO)を行う。また,原疾患そのものの治療とアシドーシスや電解質異常などの補正が不可欠である。


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