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カルチノイド症候群[私の治療]

登録日: 2023.12.21 最終更新日: 2026.02.21

森實千種 (国立がん研究センター希少がんセンター/同センター中央病院肝胆膵内科医長)

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カルチノイド症候群は,神経内分泌腫瘍により分泌される活性アミン(セロトニン,ヒスタミン),タキキニン,プロスタグランジンなどの分泌過剰による病態。下痢,皮膚潮紅,喘鳴,心不全(特に右心系),ペラグラ症状(皮膚炎,舌炎,口角炎)などがあり,昏迷を呈することもある。神経内分泌腫瘍は一般的に増殖がゆるやかである。

▶診断のポイント

セロトニン過剰分泌は血中セロトニン,尿中5-HIAA測定により診断する。カルチノイド症候群を伴う神経内分泌腫瘍の原発巣は,気管支,肺,腸管が主である。腸管原発については中腸(小腸・虫垂・結腸右半)が多いため,通常の上部・下部消化管内視鏡検査では原発巣が見つからない場合も多い。カルチノイド症候群を認める際はCTのthin slice画像,オクトレオスキャン(ソマトスタチンレセプターシンチグラフィ)などで小腸領域も注意深く観察し,病態や必要性に応じてカプセル内視鏡やバルーン内視鏡などで原発巣の特定をめざす。

原発腫瘍の検索を行って腫瘍の存在が確認されたら生検を行い,Ki-67指数などの細胞増殖活性の評価も含めた病理診断で確定診断とする。遠隔転移の有無に関する画像評価も必要である。

上記症状をみて,カルチノイド症候群を念頭に置き,採血によるホルモン値の検査および腫瘍(しかも希少がんである神経内分泌腫瘍)の存在を想定した検査が進められるか,もしくは腫瘍性病変が指摘された場合に上記症状の有無をしっかり聴取できるか,が診断のポイントである。


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