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学校健診での機能性心雑音と器質性心雑音の鑑別法は?

登録日: 2016.10.19 最終更新日: 2026.02.21

大内秀雄 (国立循環器病研究センター小児循環器医長)

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学校健診では心臓聴診において機能性心雑音と器質性心雑音の鑑別を求められることが多いのですが,機能性心雑音と判定できる決め手についてお教え下さい。

(質問者:神奈川県 Y)


【回答】

新生児や乳児では比較的高い頻度で心雑音が聴取されます。注意深く聴診すれば7割程度の小児で聴取されるとされていますが,成人でも聴取されることがあります。それらの多くは心臓の構造に異常のない無害性心雑音です。無害性心雑音が器質性心雑音と異なる特色は,主に,心雑音の大きさは通常はレバインⅢ度以下のことがほとんどであり,駆出音(クリック)を伴わず1),また,流量に依存していることが多いため,体位変換(臥位から坐位や立位など)や息止めなどのバルサルバ法(Valsalva maneuver:静脈還流を減らす)で減弱あるいは消失することが多い2)といった点です。また,無害性心雑音は収縮期か連続性であることがありますが,拡張期のみの心雑音は病的心雑音と考えます。

成長とともに消失することが多いとされますが,一定した傾向はありません。しかし,心雑音の大きさは心臓病の重症度と無関係であり,判断が困難な場合には躊躇することなく心エコーなどの画像診断や小児循環器医などの専門医への相談が望ましいと考えられます3)。以下に代表的な無害性心雑音の特色を簡単に記載します。

(1)スティル雑音(Still’s murmurs)
胸骨左縁に聴取する低音の楽音様の心雑音の多くは無害性心雑音を言います。3歳~思春期に聞こえることが多く,流量に依存するとされることから,体位変換(特に坐位や立位)や息止めなどのバルサルバ法で消失,減弱するとされています。成因は不明ですが,左室内腱索や左室流出路の乱流の可能性が示唆されています。


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