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真性多血症(真性赤血球増加症)[私の治療]

登録日: 2022.10.28 最終更新日: 2026.02.21

下田和哉 (宮崎大学医学部内科学講座教授)

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真性多血症(polycythemia vera:PV)は汎血球増加,特に赤血球数の著増をきたす骨髄増殖性腫瘍である。過剰に産生されるサイトカインによる発熱,体重減少,倦怠感などの全身症状を伴い,血栓症,脾腫をきたす。臨床経過は緩徐であり,生命予後は比較的良好である。

▶診断のポイント

頭痛,頭重感,赤ら顔(深紅色の口唇,鼻尖),発熱,体重減少,倦怠感,瘙痒,骨痛などがみられ,皮膚瘙痒感は入浴後に悪化することが多い。脾腫を約70%の症例で触知する。循環赤血球量増加(Hb値が男性>16.5g/dL, 女性>16.0g/dL)に加え,好中球,血小板数も増加することが多い。血清エリスロポエチン(Epo)は低値を示す。しかし,血清Epo値のPV診断における特異度は高いものの感度は低く,Epo値が正常〜上昇していてもPVを否定できるわけではない。95%以上の例にJAK2変異を認め診断に有用であるが,JAK2変異はPVに特有ではなく,本態性血小板血症,原発性骨髄線維症の約50%の例にも検出されることに留意が必要である。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

生命予後は比較的良好であり,治療の基本は血栓症の予防である。年齢と血栓症の既往を組み合わせた血栓症のリスク分類が頻用されており,年齢60歳以上,あるいは血栓症の既往がある場合を血栓症の高リスク群,いずれもない場合を低リスク群とする。

初めに心血管系合併症の危険因子(喫煙,肥満,糖尿病,高血圧,脂質異常症など)を取り除くことが重要であり,禁煙指導,生活習慣の改善,治療を行う。増加している赤血球体積を減少させるため,原則として全例に瀉血療法を行う。これに加えて,出血や消化器潰瘍症状などの禁忌がなければ低用量アスピリン投与により血栓症の予防を図る。さらに血栓症の高リスク群では,細胞減少療法を追加する。


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