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アトピー性皮膚炎に対する,タクロリムス,JAK阻害薬,PDE4阻害薬の各外用薬の使い分けについて

登録日: 2022.06.29 最終更新日: 2026.02.21

伊藤寿啓 (東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科 准教授) 山中恵一 (三重大学医学部皮膚科教授)

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アトピー性皮膚炎に対する,タクロリムス,ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬,ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬の各外用薬の使い分けについてご教示下さい。
三重大学・山中恵一先生にご解説をお願いします。

【質問者】

伊藤寿啓 東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科 准教授


【回答】

 【3薬剤すべて皮膚の過剰な免疫反応を抑制しステロイド外用薬の減量を狙える外用薬である】

これまでステロイドを含まない外用薬はアトピー性皮膚炎治療で切望されていました。下記で説明する3種類の薬剤は皮膚で生じている過剰な免疫反応を抑制することで,アトピー性皮膚炎の炎症や随伴する痒みを抑制します。いずれもステロイド外用薬の減量や,炎症抑制,寛解維持を狙える外用薬です。重症の皮膚炎では,先行の薬剤で炎症を鎮静化させた後に使用することが勧められます。皮膚萎縮や毛細血管拡張等の副作用はなく炎症を抑える効果が高い外用薬です。

タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)は,有効成分の分子量が大きいので,皮膚の状態が悪い部位からは吸収されますが,バリア機能が正常化した皮膚からはほとんど吸収されません。タクロリムスの炎症抑制効果はmedium〜strongクラスのステロイド外用薬と同程度で,止痒効果もあります。

問題点としては,外用開始時に皮膚の刺激感・灼熱感が生じる患者さんがいることです。吸収されたタクロリムスは知覚神経に作用し,サブスタンスPの遊離を介し瘙痒を促すと考えられています。この刺激感を抑えるためには,たとえばステロイド外用薬にて皮膚炎症を鎮静化させてからタクロリムスに切り替える,ステロイド外用薬との混合軟膏をあえて処方する,刺激感が生じたらタクロリムスを拭い取ってステロイド外用薬を塗布するなどで1週間程度しのぐと多くの症例では消失します。


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