検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

不完全房室ブロック[私の治療]

登録日: 2022.04.29 最終更新日: 2026.02.21

小田倉弘典 (土橋内科医院院長)

お気に入りに登録する

心房と心室の間に伝導障害が生じ,心電図にそれが表現された場合を「房室ブロック」と呼ぶ。房室ブロックはP波とQRSの関係性によって第1度〜第3度にわけられる。PQ時間の延長またはP波に続くQRSが部分的に脱落する場合を「不完全房室ブロック」,まったく対応していない場合を「完全房室ブロック」と呼ぶ。不完全房室ブロックは完全房室ブロックより頻度が高く,特に後述する第1度,第2度Wenckebach型は日常よく見かける。自律神経の影響による機能的ブロックが多いが,一部器質的ブロック,薬剤によるものもみられるため,注意が必要である。

▶診断のポイント

以下の第1度,第2度房室ブロックが不完全房室ブロックと考えられる。

【第1度房室ブロック】

PQ時間が0.21秒以上。P波とQRSは原則1:1対応。

【第2度房室ブロック】

Wenckebach型(MobitzⅠ型):PQ時間が次第に延長した後,QRSが脱落する。
MobitzⅡ型:PQ時間の延長なしにQRSが脱落する。Wenckebach型との鑑別は時に難しいが,QRSが脱落したときの前後の,つながっているときのPQ時間を測定し,脱落前が直後に比べて長い場合,Wenckebach型と診断する。
高度房室ブロック:房室伝導比が3:1以下の場合。

【第3度(完全)房室ブロック】

P波とQRSが完全に独立して出現する場合。
なお,2:1房室ブロックは上記のいずれにも属さないが,長時間記録していると伝導比が2:1以上となることがあり,Wenckebach型かMobitz Ⅱ型かの鑑別が可能となることがある。


1 2