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急性尿細管間質性腎炎[私の治療]

登録日: 2021.11.03 最終更新日: 2026.02.21

渡辺裕輔 (埼玉医科大学国際医療センター血液浄化部・腎臓内科准教授) 岡田浩一 (埼玉医科大学病院腎臓内科教授)

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急性尿細管間質性腎炎(acute tubulointerstitial nephritis:ATIN)は,腎尿細管間質に炎症細胞浸潤や浮腫が生じ,急性の腎機能障害をきたす疾患である。経過によって急性腎障害 (AKI)の定義を満たす場合もある。原因は薬剤アレルギー(過敏性腎障害)が最も多く,サルコイドーシスやシェーグレン症候群,IgG4関連腎臓病などの免疫疾患や,急性腎盂腎炎などの感染症によっても生じる。薬剤性ATINの原因としては,抗菌薬や非ステロイド性抗炎症薬,プロトンポンプ阻害薬(PPI)などが代表的である。また近年,がん治療の新たな柱として注目されている,抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体,抗CTLA-4抗体などの免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による免疫関連有害事象(irAE)として,ATINが生じることが報告されている。irAEによるATINの発症危険因子として,治療開始前の慢性腎臓病(CKD)の存在(推算GFR<30mL/分/1.73m2),PPIの併用,ICIの2剤併用(抗CTLA-4抗体・抗PD-1抗体の併用)が報告されている。

▶診断のポイント

ATINの臨床症状は主に腎機能低下によるものである。しかし腎機能低下は自覚症状に乏しく,何らかの症状が出現した時点で,腎機能は高度に低下している場合が多い。薬剤アレルギーが原因の場合は,発熱,腰背部痛,皮疹,関節痛などの自覚症状を生じる場合がある。

血液検査所見では,腎機能の低下に伴い,血清クレアチニン値の上昇などが認められる。アレルギー機序が関与している場合は,血中好酸球増多や血清IgE高値を呈することもある。尿検査では,尿沈渣での白血球尿(無菌性膿尿),尿細管性蛋白(尿中β2ミクログロブリンや尿中N-アセチルグルコサミニダーゼ)の上昇が認められる。尿中好酸球が検出される場合もある。腎尿細管間質の炎症や浮腫を反映して,腹部超音波やCT等の画像検査において,腎臓の腫大を認めることも多い。またガリウムシンチグラフィーで腎臓への集積亢進を認める場合もある。確定診断は腎生検での病理診断による。薬剤アレルギーが疑われた場合,原因薬剤の同定のためにリンパ球幼若化試験(DLST)が行われることもある。


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