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【一週一話】CFS(慢性疲労症候群)─脳内神経炎症の存在

登録日: 2016.09.08 最終更新日: 2026.02.21

倉恒弘彦 (大阪市立大学医学部附属病院疲労クリニカルセンター客員教授/厚労省CFS研究班班長)

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1984年,米国において原因不明の激しい疲労感とともに微熱,頭痛,筋肉痛,脱力,思考力低下,抑うつなどが長期に続き,社会生活にも支障をきたす患者の集団発生が認められた。CDCは,この不可解な病態の病因を解明するために研究グループを組織し,対象患者を特定するための診断指針を発表した1)。これが,今も世界中で広く用いられている慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome:CFS)診断基準である。

これまでに,このような患者では神経・内分泌・免疫系や,エネルギー代謝系における異常の存在が報告されている。しかし,一般臨床検査には異常がみられないため,プライマリケアを担っている多くの医師からは,CFSは器質的疾患ではなく,機能的な精神疾患の一種とみなされてきた。

ごく最近,脳内神経炎症の有無はミクログリアなどの活性化を検索することで評価が可能となってきた。そこで,我々がCFS患者9名と健常者10名を対象にミクログリアの活性化をPETで調べたところ,CFSでは視床,中脳,橋などの脳幹部や海馬,帯状回,扁桃体などに神経炎症が存在し,神経炎症の程度と痛み,抑うつ,認知機能障害の程度が相関していることが判明した2)。この発見は,米国CFS/ME(myalgic encephalomyelitis)協会が発表した2014年の世界10大発見の1つとして大きく取り上げられている。


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