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子宮体癌・子宮内膜増殖症[私の治療]

登録日: 2021.06.21 最終更新日: 2026.02.21

渡利英道 (北海道大学大学院医学研究院産婦人科学教室教授)

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子宮体癌は,子宮内膜腺上皮から発生する上皮性悪性腫瘍である。閉経周辺期・閉経後の女性に好発し,近年その発生数は増加している。子宮内膜増殖症の中で子宮内膜異型増殖症は前がん病変と考えられており,約30%程度はがんに進展するとされている。

▶診断のポイント

不正性器出血を主訴に受診した患者で,経腟超音波検査での内膜肥厚像が疾患を疑う所見であり,閉経後については通常2~3mm程度であることから,5~6mmを超える場合には積極的に細胞診,組織診を施行する必要がある。細胞診では偽陰性となる場合もあるため,最終的には子宮内膜組織診で確定診断することが肝要である。初回治療方針の検討に際しては,全身状態や合併症評価に加えて画像検索を実施し,手術の可否,手術方法(子宮摘出方法,リンパ節郭清範囲,アプローチ方法など)を決定する。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

【初回治療】

子宮体癌については,手術療法により腫瘍の完全摘出をめざすことが最も重要である。さらに,子宮体癌においては手術進行期が採用されていることから,子宮全摘出術+両側付属器摘出術+後腹膜リンパ節郭清術により,進行期を決定することが原則である。術後の摘出物の病理組織検査の結果に基づいて,進行期ならびに再発リスク分類が決定され,再発中・高リスク患者に対しては術後化学療法が勧められる。

子宮内膜異型増殖症に対しては,子宮全摘出術+両側付属器摘出術を勧めるのが基本であり,根治療法となる。術前病期がⅠA期(筋層浸潤1/2未満),類内膜癌G1/2と推定される症例に対しては,内視鏡手術(腹腔鏡下あるいはロボット支援下)を保険診療下に実施する。

40歳未満の若年症例の増加に伴い,妊孕性(子宮)温存を希望する患者が増加している。子宮内膜組織診で,類内膜癌G1かつMRIで筋層浸潤を疑わない体癌症例および内膜異型増殖症症例に対しては,患者,家族の強い希望がある場合には高用量黄体ホルモン療法が許容される。ただし,再発例が多いこと,血栓症などの薬剤合併症があることを十分に理解した上で,妊孕性(子宮)温存療法を実施する必要がある。再発例に対しては原則,子宮摘出を要することをあらかじめ伝えておくことが肝要である。


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