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【一週一話】トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー

登録日: 2016.09.08 最終更新日: 2026.02.21

安東由喜雄 (熊本大学大学院生命科学研究部神経内科学分野教授)

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トランスサイレチン(TTR)型家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は様々なphenotype,genotypeが明らかにされてきている1)。現在までに130箇所以上のTTR遺伝子の点変異が報告されており,ポリニューロパチーを起こす変異型が圧倒的に多いが,心臓を主体に傷害を引き起こすFAP ATTR Ser50Ileやアミロイドアンギオパチーを主に引き起こすFAP ATTR Thy114 Cysなどのサブタイプも発見されている。必ずしもポリニューロパチーが症状の主座でない場合もあるため,アミロイド沈着が明らかになった患者では本疾患を疑う必要がある。

圧倒的に多いgenotypeはATTR Val30Metで,これまで熊本や長野の限られた地域に認められる疾患と考えられてきたが,最近,高齢発症で家族歴がはっきりせず,集積地出身ではない患者が全国に多数認められている。高齢者の原因がはっきりしないニューロパチーや治療抵抗性の慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)患者に遭遇した場合,本症を積極的に疑うべきである。

TTRは眼の網膜色素細胞,脈絡叢,肝臓などで産生されるが,血中の95%以上が肝臓で産生されることから,肝移植がFAPの進行を阻止する有効な治療法であることが確認されている。発症早期に移植を行うと,ニューロパチーの進行がほぼ停止することが電気生理学的にも証明されている2)


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