菌血症の抗菌薬投与期間について

登録日： 2020.01.10 最終更新日： 2025.10.17

三河貴裕（山梨県立中央病院総合診療科・感染症科副部長）宇野俊介（慶應義塾大学医学部感染症学）

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一方，一向に治療期間が短縮できないのが，黄色ブドウ球菌菌血症（staphylococcus aureus bacteremia：SAB）です。特に複雑性SABでは，4週間の治療を短縮すると予後が悪化すると報告されており^7），SABはやはり静注抗菌薬でしっかり治療することが重要でしょう。

抗菌薬適正使用にあたり，治療期間の短縮も重要な要素です。しかしこれまで確立されてきた治療期間を短縮することで，治療失敗や再発など予後が悪化することはあってはなりません。科学的なデータに基づいた治療期間の検討がこれからの専門家には求められています。

【文献】

1） Rice LB:Clin Infect Dis. 2008;46(4):491-6.

2） Sandberg T, et al:Lancet. 2012;380(9840): 484-90.

3） Uno S, et al:Int J Infect Dis. 2017;55:81-5.

4） Doi A, et al:Clin Microbiol Infect. 2018;24 (11):1184-9.

5） Nelson AN, et al:Infection. 2017;45(5):613-20.

6） Karakonstantis S, et al:Infection. 2018;46(2): 281-2.

7） Kim CJ, et al:Clin Microbiol Infect. 2019;25 (6):723-32.

【回答者】

宇野俊介　慶應義塾大学医学部感染症学

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