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バーター(Bartter)症候群[私の治療]

登録日: 2019.11.05 最終更新日: 2026.02.21

野津寛大 (神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野特命教授) 飯島一誠 (神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野教授)

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Bartter症候群(Bartter syndrome:BS)は低カリウム血症,代謝性アルカローシスなどを特徴とする先天性尿細管機能異常症に伴う症候群である。太いヘンレループから遠位尿細管に発現するチャネル,または輸送体の機能異常で発症する。BSは臨床的には,新生児期に発症する重症型の新生児型BSと,乳幼児期に発見される比較的軽症型の古典型BSに分類される。
近年の分子生物学の進歩に伴い,1〜5型BS(OMIM1型:601678,2型:241200,3型:607364,4型:602522,4b型:613090,5型:300971)に分類される。近年はBSおよびGitelman症候群(Gitelman syndrome:GS)を1つの疾患概念ととらえ,遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症(salt-losing tubulopathy:SLT)と総称する傾向にある。

▶診断のポイント

BSは,低カリウム血症,代謝性アルカローシスを呈し,かつ,利尿薬,緩下薬の常用,食思不振など,二次的要因を伴わないことにより診断を行う。さらに,出生歴,腎石灰化の有無,血清マグネシウム値,尿中カルシウム値などを参考に病型診断を行う。ただし,以下に示す様々な遺伝性疾患により類似の病態を呈するため,確定診断には遺伝子診断が必須である。

【鑑別を要する,そのほかの遺伝性疾患】

腎低形成,ネフロン癆,Dent病,ミトコンドリア病,常染色体優性低カルシウム血症(autosomal dominant hypocalcemia:ADH)などの先天性腎尿細管疾患や囊胞性線維症,先天性クロール下痢症において,同様の病態を呈することがあり,その場合BSとの鑑別は非常に困難であることがある。カルシウム感知受容体(calcium-sensing receptor:CaSR)遺伝子の活性型変異により発症するADHに伴い,BSと同様の病態を発症することが報告され,一時,5型BSと分類されていた。しかし,CaSR遺伝子に変異を有してもほとんどの場合BS様症状を呈さないことから,現在はBSの1亜型には含まれない,とされている。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

低カリウム血症に対するカリウムの補充が基本である。さらに,3型BSで低マグネシウム血症を伴う場合はマグネシウムの補充を行う。電解質異常の補正が困難な場合や,成長障害,日常生活に支障をきたすような倦怠感,活動量の低下などを認める場合は非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)による治療を行う。


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