今回の熊本地震でもDMATやJMATが現地に派遣されたが、重要なのは「現地の対策本部で自衛隊や警察を含めた色々なチームに誰が指揮命令をするのかということ」と語る。「日本にはこうしたことを生業にしてきた人がいません。指揮官には情報が少ない中で責任を伴う決断が求められる。指揮官となる人を決めておく必要があります」
また災害時には「想定外の想定」が不可欠と強調する。「職員が登庁できない、建物の耐震性が低く本部が設置できないなど、必ず想定外のことが起こります。実際の現場をコントロールし、有効なすべての資源を活用するには融通性と知識が大切」として、こうした力量を備える指揮官を各地域で育成していく必要性を訴える。
災害時に自身も被災した開業医はどうあるべきか、尋ねてみた。
「開業医の先生は地域医療の核であり、非常時こそ自分のフィールドを大事にしてほしい。長期化すると地域住民の健康管理が重要になる上に、『あの瓦礫の下には透析が必要なおばあちゃんがいるはず』といった情報は日頃から地域で診療している先生だからこそ持っている。先生方の活躍が大病院に搬送される人を減らすことにつながり、ひいては地域医療を守ることにもなると思います」

2006年台北市で開催された学会の歓迎会(左から2人目)では当時同市長だった馬英九総統(右から2人目)も出席した