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【OPINION】行政処分を受けた医師・歯科医師の「再出発」に向けて─「保護観察」の導入等を含む、厚労研究班からの提言

登録日: 2016.09.08 最終更新日: 2026.02.21

野村英樹 (杏林大学医学部教授(写真)) 大生定義 (立教大学社会学部教授) 植村和正 (名古屋大学医学部附属総合医学教育センター教授) 宮田靖志 (北海道大学病院卒後臨床研修センター特任准教授) 岡田智雄1 (日本歯科大学附属病院教授)

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はじめに

医道審議会による年2回の行政処分では近年、1回あたり40名前後の医師・歯科医師が処分対象として発表されている(医師2:歯科医師1の割合)。「処分」という言葉が使われているが、対象者のほとんどに既に司法の手が下されており、行政処分の第一義的な目的は、懲罰ではないはずである。

私たちは、2013年度の厚生労働科学研究「医業ないし歯科医業停止処分対象となった医師・歯科医師の再教育のあり方に関する研究」の開始にあたり、行政処分や再教育の目的を、患者と住民を守ること、および、信頼される医師・歯科医師(以下、医師等とする)として再び社会に貢献するために必要な道徳性や能力を温存・再修得すること─であると捉えた上で、システム構築と再教育研修内容の決定を行う必要があると考えた。

行政処分および再教育研修の近年の動き

2006年に医師法や歯科医師法、および関連法令が一部改正され、翌07年より医業・歯科医業(以下、医業等とする)停止処分の期間が最長5年から3年へ短縮、処分類型に戒告が導入されると同時に、再教育研修が開始された。その内容は、

 ・倫理研修(医師等としての倫理の保持に関する研修)
 ・技術研修(医師等として具有すべき知識および技能に関する研修)

とされ、研修の形態として「団体研修」「課題学習」「個別研修」の3種類が定められた。

「団体研修」は行政処分対象者全員に義務付けられ、加えて医業等停止期間1年未満の対象者には「課題学習」が、同1年以上の対象者には「個別研修」が課される。

「課題学習」では地方厚生局への課題論文の提出(停止6月未満は1本以上、6月以上1年未満は2本以上)が求められ、少なくとも1本は処分事由に関連したものでなくてはならない。

「個別研修」では、「助言指導者」の協力を得て記載した「個別研修計画書」を予め地方厚生局に提出し、「助言指導者」の監督下で、停止1年以上2年未満は80時間以上、同2年以上は120時間以上の研修を受ける。医業等の実践を伴う個別研修を計画した場合には、停止期間が終了した後に行うことになる。

2000年以降の処分事由には、大きく健康上の障害、生涯学習の質・量の不足(医療過誤)、および非行があり、それぞれ表1に示すようなものが含まれていた。「精神障害」(1例のみ)以外について、どのような処分事由に対してどのような行政処分が下されたか詳細に調査したが、ここではカテゴリー別・処分類型別の数を示す(図1)。特筆すべきは、福島県立大野病院事件の無罪判決が確定した08年以降、医療過誤の処分件数が大幅に減少していること(図2)である。



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