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C型肝炎患者におけるHBV再活性化の病態と対応

登録日: 2018.07.20 最終更新日: 2026.02.21

田中 篤 (帝京大学医学部内科学講座教授)

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C型肝炎ウイルス(HCV)に対する直接型抗ウイルス薬による治療中にB型肝炎の再活性化が起こることがある

C型肝炎に対する抗ウイルス治療を開始するにあたって,まずB型肝炎ウイルス(HBV)感染の有無を確認しておく

B型肝炎キャリアないし既往感染者に対する治療中,HBV DNA量が増加したら核酸アナログ製剤を投与する。また,ALT値が増加した場合にはHBV DNA量の増加の有無を確認する

1. 抗ウイルス治療の歴史

C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)に対する近年の抗ウイルス薬の進歩は著しい。抗ウイルス治療の効果は血中HCV-RNAの消失によって判定されるが,治療中に血中HCV-RNAが消失していても治療終了後に再出現する症例が存在する。そのため,抗ウイルス治療の奏効率はsustained viral response(SVR)率,すなわち,治療終了直後のみならず,終了後ある一定の期間までHCV-RNAが陰性を保つことのできた症例の全治療例における割合で表される。HCVに対する抗ウイルス治療としては,長らくペグインターフェロン+リバビリン併用療法が行われ,比較的成績良好であったゲノタイプ2型HCVでもSVR率はおよそ70~80%,難治であったゲノタイプ1型では50%のみにとどまっていた。

この状況は2011年,HCVの増殖に必要な蛋白を直接阻害する,直接型抗ウイルス薬(direct-acting antivirals:DAAs)と呼ばれる経口薬の登場によって大きく変化する。DAAsはまずペグインターフェロン+リバビリンとの併用によって,ゲノタイプ1型に対するSVR率を80~90%台まで向上させた。その後14年には,インターフェロンを必要としない,異なるHCV蛋白を標的とする2種の経口DAAsのみによる抗ウイルス治療,すなわちインターフェロンフリーDAAsによる治療が登場した。これによって,インターフェロンの強い副作用により治療が行えなかった高齢者や肝硬変患者,合併症を有する患者まで治療対象が広がった。現在では抗ウイルス治療はほぼ完成の域に近づき,初回治療例であれば,わずか8~12週のDAAs服用でゲノタイプ1型・2型を問わず,ほぼ100%近いSVRが得られ,安全性にもまず問題はない。

その一方で,抗ウイルス治療中に注意すべき点がいくつか挙げられる。HCVに対する抗ウイルス治療中のB型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)再活性化がそのひとつである。


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