石川讓治「高齢者の食後低血圧にはどのようなリスクがあるか?」(質疑応答【動画版】)
登録日:2022.01.06 最終更新日:2025.09.24
シリーズ: 【Web医事新報チャンネル】~2022/5
質疑応答【動画版】では、現場の臨床医の先生方から実際に寄せられた質問・疑問を取り上げ、専門家が最新の知見・データに基づいてわかりやすく解説します。
今日のテーマは「高齢者の食後低血圧にはどのようなリスクがあるか?」。東京都健康長寿医療センター循環器内科部長の石川讓治先生にご回答いただきます。
(視聴時間20分・2021年12月14日収録)
【Question】
- 「食後眠くなる、だるくなる」と訴える高齢者で食後低血圧を起こしているケースを見極めるにはどうすればいいでしょうか? 食後低血圧のメカニズムも含めてご解説ください。(00:31)
- 高齢者の食後低血圧にはどのようなリスクがありますか? 医学的対応が必要な場合、どのように治療・管理を進めていけばいいでしょうか?(06:41)
- 食後低血圧を予防するためにどのような指導をしていますか?(11:03)
【石川先生に編集部から質問】
- 「現在の診療科(循環器内科)を選んだ理由」「どのようなやりがいを感じているか」「今後取り組みたいこと」を教えてください。(17:15)
編集メモ~ここがポイント!
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食後低血圧は「食後2時間以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下」で診断
- 食後低血圧の患者は起立性低血圧を伴っている場合が多い
- 座位のままで食前・食後の血圧を測定し比較することが大事
- 食後低血圧は自律神経障害を認める疾患で起きやすい
- 失神・ふらつき・めまいなどを伴う場合はリスクが高く、医学的対応が必要
- 不用意に昇圧薬を使うと急激な血圧上昇が起こり、危険な場合がある
- 降圧薬を使う場合は、24時間自由行動下血圧測定で下がりすぎないようにチェックしながら、ごく少量投与(サイアザイド系利尿薬、カルシウムチャネル阻害薬、α遮断薬はできるだけ避ける)
- 食後低血圧は「血圧の調節機能の障害」。血圧変動を誘発する要因(食事や起立)に介入していくことが重要
- 食後低血圧を予防するためには、患者自身が自分で生活を改善していくことが大事
- 「水分をしっかり摂る」「必要な薬を見極めて減薬する」「炭水化物を摂取するときは細かく分ける」「食事の前に入浴する」などの指導を
- 飲酒後に入浴すると「低血圧の相乗効果」」が起きるので注意
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