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妄想性障害

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
針間博彦 (東京都立松沢病院精神科部長)
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  • ■疾患メモ

    妄想性障害(delusional disorder)1)とは,妄想のみが長期間持続する精神病性障害であり,発症年齢は思春期から老年期まで幅がある。

    妄想自体は非特異的であるので,診断上は統合失調症(schizophrenia)など他の疾患の除外が必要である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    単一の妄想あるいは関連した一連の妄想が持続し,しばしば体系化している。

    妄想に直接関係する言動を除けば,患者の会話,感情,行動は正常な側面を保っている。

    妄想に対する二次的反応として,抑うつなど気分の異常がみられることがある。

    妄想の内容には様々な種類がある()。これらは非特異的であり,統合失調症など他の障害にもみられる。

    23_05_妄想性障害

    【検査所見】

    診断にはまず,器質性精神障害と精神作用物質使用による精神病性障害の除外が必要であり,これらの根拠となる検査所見がないことが要件である。もっとも,これらの直接的な影響の証拠を示しえない例においても,頭部外傷の既往,アルコールや薬物乱用の既往,加齢による脳器質的変化の影響など,微細な長期の器質的要因が考えられることがある2)

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