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歯周膿瘍

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
齋藤 淳 (東京歯科大学歯周病学講座教授)
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  • ■疾患メモ

    歯周組織内に発生した限局性の化膿性炎症により,局所の組織融解と膿の貯留を呈する状態。深い歯周ポケットが存在し,さらに歯周ポケット入り口が閉鎖されて限局性の化膿性炎症が深部に存在している場合などに生じる。

    病変が辺縁歯肉や歯間乳頭に限局しているものが歯肉膿瘍。歯周膿瘍の原因は,①歯周ポケット内の感染物質(歯周病原細菌),②ポケットからの排膿路閉鎖,③強い歯ぎしり,くいしばりなどの外傷力,④糖尿病等の全身疾患による組織抵抗性の減少,などが挙げられる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    全身症状(進行した場合):発熱,全身倦怠感,顎下リンパ節の腫脹,摂食困難。

    口腔症状:①歯肉の発赤,浮腫性腫脹(), ②膿瘍部からの排膿(ない場合もある),③歯の打診痛,歯肉部の圧痛,④時には炎症による歯の動揺。

    19_20_歯周膿瘍

    【検査所見】

    歯および歯周組織の検査において,歯周病変由来の場合に歯髄は生活反応を示すことが多い。

    打診検査では水平打診痛がみられることが多い。

    歯肉膿瘍が進行して歯周膿瘍になると歯周ポケットの形成がみられる。

    X線画像所見としては,歯槽骨の吸収を認める。

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    コチラより

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