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赤色平滑舌

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  • ■治療の考え方

    舌の萎縮を認めた場合,その背景になる全身疾患や既往がないか,また血液検査による貧血所見の有無を確認する。その場合,まず原疾患の治療を考慮する。また全身的背景がない場合(加齢,更年期障害など)には対症療法を優先させる。

    ■治療の一般的注意&禁忌

    【注意】

    医師と歯科医師がうまく連携して治療を行う。

    ■典型的治療

    【軽度】

    口腔症状の緩和(対症療法)を行う。

    一手目:アズノール®うがい液4%(アズレンスルホン酸ナトリウム)1回5~7滴(主成分として4~6mL)1日数回〔適量(約100mL)の水または微温湯に溶かし,含嗽〕

    二手目:〈処方変更〉局所麻酔薬入り含嗽薬キシロカインビスカス®(リドカイン)3mL,含嗽用ハチアズレ®(顆粒アズレンスルホン酸ナトリウム)20g併用

     グリセリン60mL+精製水500mLに溶解し,1回50mL毎食前に含嗽

    【重度】

    下記原疾患の治療を行い,対症療法として含嗽薬を処方する。

    鉄欠乏性貧血の治療:鉄剤の投与(経口薬,注射薬)。

    悪性貧血の治療:ビタミンB12製剤の投与(注射薬)。

    一手目:アズノール®うがい液4%(アズレンスルホン酸ナトリウム)1回5~7滴(主成分として4~6mL)1日数回〔適量(約100mL)の水または微温湯に溶かし,含嗽〕

    二手目:〈処方変更〉局所麻酔薬入り含嗽薬キシロカインビスカス®(リドカイン)3mL,含嗽用ハチアズレ®(顆粒アズレンスルホン酸ナトリウム)20g併用

     グリセリン60mL+精製水500mLに溶解し,1回50mL毎食前に含嗽

    ■高齢者への対応

    高齢者では口腔粘膜全体が萎縮するため,舌のみの対応では不十分な場合が多い。対症療法を行う。

    ■文献・参考資料

    【参考】

    ▶ 戸塚靖則, 他, 監:口腔科学. 朝倉書店, 2013.

    【執筆者】 野村武史(東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座教授)

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