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近視

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-24
横井多恵 (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学系専攻認知行動医学講座眼科学)
大野京子 (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学系専攻認知行動医学講座眼科学教授)
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  • ■疾患メモ

    近視とは,平行光線が無調節状態の眼に入射したときに,網膜の前方に焦点を結ぶ眼の屈折異常である。

    眼軸長が過度に伸展しているか,角膜・水晶体の屈折力が強すぎるかの,いずれかが原因で生じる。前者は軸性近視,後者は屈折性近視と定義される。一般的な近視は軸性近視を指す。屈折性近視は,円錐角膜や調節痙攣などの疾患によって生じることが多い。

    文部科学省学校保健統計調査報告書によれば,学校健診における"裸眼視力1.0未満のもの"は年々増加し,それに占める近視・近視性乱視の割合は小学生で約46%,中学生で約73%,高校生で約91%である。

    近視には,単純近視と病的近視がある。病的近視は眼軸長の過度の伸展により,眼底後極部に変性をきたす近視である。

    病的近視は,一般に小児期から強度の近視である。若年期には単純近視同様,屈折矯正によって良好な視機能が得られるが,中高年期になると様々な眼合併症から視覚障害を起こす。

    厚生労働省研究班によれば,年齢が9歳以上で,眼軸長が26.5mm以上に伸展した場合,強度近視と定義される。屈折度に換算すると−8.0D(ジオプトリー)以下となる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    遠いところはぼやけるが,近いところは見える。

    病的近視では,中高年期になると眼合併症の種類や程度に応じて,複視,歪視,矯正できない視力低下,視野欠損などの症状が出る。

    【検査所見】

    遠方の裸眼視力は低下するが,近方の裸眼視力は良好である。

    屈折度にあった凹レンズの眼鏡やコンタクトレンズを装用すると,良好な遠方視力を得ることができる。

    一般的に,近視眼では眼軸長が過度に伸展している。

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