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遠視

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
村上 晶 (順天堂大学医学部・大学院医学研究科教授)
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  • ■疾患メモ

    遠視は,無調節の状態で眼に入る平行光線が網膜より後方に結像する状態で,屈折異常の1つである。

    一般に新生児期は遠視であり,その後,学童期頃までに正視に近づくことが多い。小児期の遠視は,弱視や調節性内斜視の原因となる。しばしば調節による代償がされるため,自覚的な視力測定のみのスクリーニングでは見逃されることがある。

    病因としては,先天性,単眼軸長眼,扁平な角膜が挙げられる。水晶体の後方移動(水晶体脱臼),網膜剥離や眼窩腫瘍により網膜面が前方へ移動することなども原因となる。白内障手術後,水晶体を摘出後,眼内レンズが挿入されないままであれば,多くは強い遠視になる。また,屈折力が弱すぎる眼内レンズが移植された際には,新たに遠視が発生しうる。さらに,近視に対する角膜屈折矯正手術の過矯正のほか,危険因子として家族歴がある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    自覚症状として,視力障害,遠見より近見視力の低下,文字などを長く読めない,眼の疲れ,頭痛などが挙げられる。

    【検査所見】

    レフラクトメーターなどの他覚的屈折検査で遠視がある。

    自覚的屈折検査で遠視がある。

    小児においては調節力が大きいため,必要に応じて調節麻痺薬を用いた屈折検査を行う。

    【鑑別診断】

    他の眼疾患による視力低下を鑑別する。

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