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全身性エリテマトーデス

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-19
田中良哉 (産業医科大学医学部第一内科学講座教授)
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  • ■疾患メモ

    全身性エリテマトーデスは,妊娠可能年齢の女性に好発する全身性自己免疫疾患である。皮膚,関節,心,腎,漿膜,神経,血管など全身の多臓器を侵し,多彩な臨床症候を呈する。

    発症年齢は20~30歳代が多く,男女比は1:9~10で,患者数は約10万人と推定される。

    診断には,2012年SLE国際共同臨床委員会(Systemic Lupus International Collaborating Clinics:SLICC)の改定基準が使用される。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    発熱,倦怠感,多関節炎などの非特異的な全身症状が1週間以上持続した後に臓器障害が発現することが多い。

    顔面蝶型紅斑や円盤状紅斑などの特徴的な皮膚所見を約80%に伴い,紫外線曝露を契機に増悪する。爪周囲紅斑や無痛性口腔内潰瘍,レイノー現象を認めることもある。

    多臓器病変を併発し,腎病変,精神障害や血管障害による中枢神経病変を高頻度に伴う。

    【検査所見】

    持続性蛋白尿や細胞性円柱を高頻度に伴う。腎生検組織所見が重要である。

    汎血球減少,赤沈亢進,高ガンマグロブリン血症,免疫複合体高値,低補体血症を呈する。

    抗核抗体はほぼ全例で陽性,抗Sm抗体は約25%で陽性,抗dsDNA抗体は約70%で陽性であり,抗体価は通常,疾患活動性と相関する。

    漿膜炎(胸膜炎,心膜炎,腹膜炎)や中枢神経病変には画像所見が有用である。

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