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甲状腺機能低下症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
安田重光 (埼玉医科大学内分泌・糖尿病内科講師)
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  • ■疾患メモ

    甲状腺機能低下症は,生体内での甲状腺ホルモンの作用不足による。

    原因は以下の3つに分類される(本項では稀な②と③は割愛する)。

    ①甲状腺ホルモン産生・分泌の不足:原発性甲状腺機能低下症,中枢性甲状腺機能低下症

    ②標的臓器での甲状腺ホルモン作用機構の異常:甲状腺ホルモン不応症,甲状腺ホルモンの代謝異常・輸送異常

    ③甲状腺ホルモンの代謝が過剰となる病態:肝血管腫での3型脱ヨウ素酵素の過剰発現1)

    原発性甲状腺機能低下症は,甲状腺自体の障害による機能低下である。甲状腺癌やバセドウ病の術後,バセドウ病へのアイソトープ治療後,頸部への放射線外照射後の甲状腺機能低下症なども原発性である。

    中枢性甲状腺機能低下症は,甲状腺の働きを制御している視床下部・下垂体の障害による。

    最も頻度が多いのは,慢性甲状腺炎(橋本病)による原発性甲状腺機能低下症である。

    表1・2に診断ガイドラインを示す。

    10_11_甲状腺機能低下症

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    表1・2を参照のこと。

    女性は過多月経,小児は低身長,発達障害もみられる。

    身体所見では眼瞼浮腫,口唇・舌の腫脹,眉外側1/3の薄毛,徐脈,皮膚乾燥,手足の非圧痕性浮腫,アキレス腱反射弛緩相の延長。

    【検査所見】

    一般生化学検査:総コレステロール高値,CPK高値のことが多く,LDH高値,ASTやALT高値,貧血も認める。

    内分泌検査:原発性甲状腺機能低下症(血清TSH高値,FT4低値,慢性甲状腺炎は別項を参照),中枢性甲状腺機能低下症(血清TSH低~正常値,FT4低値。視床下部性はTSH 10μIU/mL程度までの上昇を認めることもある。TRH負荷試験ではTSH分泌の低~無反応,120分後のT3が前値と比較し20%以上増加しない)。

    心電図:低電位,洞性徐脈。

    胸部X線:心嚢水貯留による心拡大。

    甲状腺超音波:慢性甲状腺炎では,内部エコーが不均一に低下したびまん性甲状腺腫の所見。中枢性甲状腺機能低下症では,甲状腺腫を認めない。

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