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von Willebrand病

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-19
松下 正 (名古屋大学医学部附属病院輸血部教授)
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  • ■疾患メモ

    von Willebrand病(VWD)はvon Willebrand因子(VWF)の量的・質的異常による先天性止血異常症である。VWFは血漿中で最大サイズの,巨大かつマルチマー構造を持つ糖蛋白である。

    止血における役割は①血小板GPIbの内皮下結合組織への粘着を介する一次止血機能,②凝固第Ⅷ因子へ結合してこれを安定化することによる内因系凝固因子としての機能の2つにわけられる。

    VWDは主に皮膚・粘膜からの出血症状を主徴とし,先天性出血性疾患の中では血友病に次いで発生頻度の多い疾患である。

    VWDの検査法には,活性測定としてその血小板GPIb結合を半定量するリストセチンコファクター活性(VWF:RCo)のほかに,VWF抗原量(VWF:Ag),SDS アガロースゲル電気泳動解析によるマルチマー解析,第Ⅷ因子のVWF結合能がある。

    近年,先天性VWDに加えて種々の基礎疾患に合併して発症する後天性のVWD(AvWS)が注目されている。

    ■検査所見

    【出血時間,血小板凝集能】

    von Willebrand病では出血時間の延長が特徴であり,多くは10~15分以上の著明な延長を示し,原則正常とされる血友病と対照的である。出血時間の延長は血小板機能異常症でもみられる特徴であり,VWFが凝固因子でありながらその機能は一次止血機能であることを反映している。

    血小板凝集能ではリストセチン凝集能のみがVWDでは低下する。リストセチン惹起血小板凝集(RIPA)はリストセチン存在下でのPRPの凝集能を検討するもので,VWDでは低下するが感度は低い。しかしVWD type2Bや血小板型のVWDでは低濃度のリストセチンによる血小板凝集が亢進することが特徴的である。

    【リストセチンコファクター活性(VWF:RCo)とVWF抗原量(VWF:Ag)定量】

    VWFの測定法には,GPIb結合活性を測定するVWFリストセチンコファクター活性(VWF:RCo)と免疫学的方法(ELISA法など)による抗原量(VWF:Ag)がある。VWF:Agは第Ⅷ因子関連抗原と呼ばれていたものと同じである。この呼称はかつてVWF:Agが第Ⅷ因子抗原と混同されて扱われていた時代の名残で,適当ではない。

    VWF:RCoは,ホルマリン等で固定したヒト血小板に対するリストセチン存在下における凝集能を吸光度計にて半定量するものである。

    【SDSアガロースゲル電気泳動解析によるマルチマー解析】

    SDS-PAGE法と同様のバッファーを用いるが,ゲル担体はポリアクリルアミドではなく,アガロースを用いる。VWFマルチマーの分子量はダイマーでも500kDa以上であり,核酸を泳動するのに用いるアガロース担体が必要である。

    【第Ⅷ因子のVWF結合能】

    マイクロプレートに純化ヒト第Ⅷ因子(遺伝子組み換えrFⅧ等が用いられる)を固相化し,被検血漿を添加,抗VWF抗体を用いて検出する。

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