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血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
横山健次 (東海大学医学部付属八王子病院血液腫瘍内科教授)
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  • ■疾患メモ

    血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)の発症率は人口100万人当たり年間4人と推計されているが,疾患に対する理解が深まるとともに診断される患者数が増加してきている。ただし,稀な疾患であることに変わりはない。

    TTPの多くは後天性であり,原因不明で突然発症する特発性のものと,膠原病,悪性腫瘍,感染症などの基礎疾患,妊娠,薬剤投与などに伴い発症する二次性のものがある。またフォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor:vWF)マルチマーを分解する酵素ADAMTS13の遺伝子異常により発症する先天性のTTPはUpshaw-Schulman症候群(USS)と呼ばれている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    1924年に初めてMoschcowitzが報告した,微小血管性溶血性貧血,血小板減少,腎機能障害,発熱,動揺性精神神経障害の5徴候が知られている。ただし,すべての症状がそろう症例は多くはない。

    貧血:Hb8~10g/dLに低下することが多い。

    血小板減少:血小板は1~3万/μLと著明に低下することが多い。出血症状の程度は,無症状,紫斑,鼻出血,などから消化管出血のみられる重症例まで,様々である。

    腎機能障害:尿所見の異常だけの症例からクレアチニン(Cr)が上昇する症例までみられる。しかし乏尿,尿毒症など血液透析を必要となる状態になることは少ない。

    発熱:38℃を超える発熱を認めることがある。

    精神神経障害:頭痛など軽い症状のみの症例から,痙攣,意識障害がみられる症例まで,症状の程度は様々である。症状の動揺がみられるのが特徴である。

    【検査所見】

    破砕赤血球出現を伴う貧血,血小板減少,Cr上昇,LDH上昇がみられる。

    Coombs試験は陰性であり,肝機能および凝固線溶系の異常はないかあっても軽度である。

    保険適用外の検査であるがADAMTS13は5%未満まで低下しており,抗ADAMTS13抗体が検出される症例もある。

    USSではいくつかの原因となる遺伝子異常が報告されており,確定診断のためには遺伝子解析が必要である。

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