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筋萎縮性側索硬化症(ALS)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
熱田直樹 (名古屋大学医学部附属病院神経内科病院講師)
祖父江 元 (名古屋大学大学院医学系研究科特任教授)
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  • ■疾患メモ

    上位および下位運動ニューロンの進行性の変性により全身の筋力低下,筋萎縮を呈する。呼吸筋麻痺による呼吸不全が主要な死因となる。

    全国の患者数は約1万人と推計されている。60~70歳代に発症のピークがあり,人口構造の変化により患者数は増加傾向にある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    初発症状は上肢筋力低下,構音障害などの球麻痺症状,下肢筋力低下など多様である。稀に,頸部筋力低下や呼吸筋麻痺症状から始まる例もある。

    症状は一貫して進行性であり,初発部位の筋力低下進行に加えて,髄節や末梢神経支配領域を超えて症状が広がっていく。

    進行速度は相当の個人差があるが,月単位で悪化を自覚することが多い。

    上位運動ニューロン変性による症候として痙性,全身の腱反射亢進,Babinski徴候,Chaddock反射,強制泣き・笑いなどを認める。下位運動ニューロン変性による症候として,四肢・体幹の筋力低下・筋萎縮,構音障害・嚥下障害などの球麻痺症状,舌萎縮,全身の骨格筋の線維束性収縮(fasciculation)を認める。前頭側頭葉変性症を合併して,行動障害や意欲の低下,言語機能の低下などを認める例がある。

    【検査所見】

    下位運動ニューロン障害をとらえるための検査として針筋電図が重要である。急性脱神経所見として線維性収縮電位(fibrillation potential),線維束性収縮電位(fasciculation potential),陽性鋭波(positive sharp wave),慢性脱神経所見として運動単位の振幅増大や多相化および持続時間延長などがあり,これらの混在が認められる。

    現在においてもALSを特異的に診断できる検査はなく,神経症候と経過が主要な診断根拠となる。そのため筋萎縮,筋力低下をきたしうる疾患を徹底的に除外診断することが必要である。

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