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肝硬変

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-26
高村昌昭 (新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野)
寺井崇二 (新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野教授)
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  • ■疾患メモ

    肝硬変(liver cirrhosis)は,長期にわたる肝組織傷害に基づく変化で,種々の原因によって生じる慢性進行性肝疾患の終末像である。

    わが国では,B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルスに起因するものが最も多く,最近では非アルコール性脂肪肝炎がその原因として注目されている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    機能的に,肝不全に起因する症状の有無から代償性と非代償性に分類される。

    代償性では特異的な症状はない。

    非代償性では浮腫・腹水,黄疸,出血傾向,肝性脳症などの様々な症状が出現する。

    【検査所見】

    腹腔鏡下肝生検:肉眼所見と組織所見が確認可能で,成因も含めて確定診断に至ることが可能であるが,血液生化学所見や画像所見から診断が明らかな場合は,肝生検まで行われないことも多い。

    血液生化学検査:肝細胞機能障害や門脈圧亢進症を反映した所見として,汎血球減少やアルブミン,コレステロール,コリンエステラーゼの低下,プロトロンビン時間延長,ビリルビンやアンモニアの上昇がみられる。また線維化の進展度を反映して,ヒアルロン酸、Ⅳ型コラーゲンやMac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体(M2BPGi)が上昇する。

    画像:腹部超音波検査や腹部CT・MRI検査が汎用される。直接的な所見として,肝辺縁の鈍化,肝表面の不整,肝実質エコーレベルの不均一化,肝右葉萎縮と肝左葉腫大がみられる。間接的な所見として,脾腫,腹水,側副血行路の有無を確認する。また,上部消化管内視鏡検査では,食道胃静脈瘤の有無を確認する。

    肝硬変の肝予備力を評価する方法としてChild-Pugh分類があり,実臨床でよく用いられる()。

    06_11_肝硬変

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