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胃癌

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-13
瀬戸泰之 (東京大学大学院医学系研究科消化管外科学・代謝内分泌外科学教授)
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  • ■疾患メモ

    平成26年人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部編)によれば,胃癌(cancer of the stomach/gastric cancer)による死亡率(人口10万対)は男性51.6,女性25.5で,悪性腫瘍の中ではそれぞれ2位,3位となっている。罹患率低下が報告されているが,男性の死亡率はほぼ横ばいで,毎年全国で5万人前後が胃癌により命を落としている。

    若年者のHelicobacter pylori感染が低下してきており,胃癌の発生頻度は低下することが予想されている一方,高齢者の胃癌死亡率は上昇しており,今後の課題になるものと考えられる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    早期癌の段階では症状を呈することは少なく,検診で発見されることが多い。

    癌の進行に伴い,食欲低下,体重減少,出血(吐血・下血),幽門狭窄による嘔吐・経口摂取障害,腹水貯留による腹部膨満などを契機に診断される例も少なくない。

    特有の症状はないものの,頻度の高い疾患であることを念頭に置き,上記症状を有する例では上部消化管検査を行うことが重要である。

    【検査所見】

    存在診断のための検査と,治療方針決定のための検査に大別される。

    検診ではバリウムによるX線造影検査が行われることが多いが,胃癌確定診断のためにはさらに内視鏡検査を行う。その際の生検による組織診断は必須である。

    経鼻内視鏡の普及などに伴い,平成28年度からは検診においてX線のほか内視鏡検査も推奨されることとなっている。

    治療方針決定のためには深達度診断や遠隔転移診断が重要である。内視鏡検査の精度は適切な胃癌治療に直結する。深達度診断には,時に超音波内視鏡(EUS)も有用である。

    治療方針決定にはCTによるリンパ節転移や遠隔転移診断も必要である。PETが参考になる場合もある。

    治療開始前に診断しておくべき項目として,深達度,腫瘍径,組織型,リンパ節転移・遠隔転移の有無などが挙げられる。

    X線造影検査の重要性は低下しているように考えられているが,胃の全体像を把握するためにはいまだ有用な検査である。Ⅳ型胃癌や食道胃接合部癌などでは,範囲診断のために行われることも多い。

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