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深部静脈血栓症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-14
中村真潮 (三重大学大学院循環器・腎臓内科学客員教授/村瀬病院副院長/肺塞栓・静脈血栓センター長)
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  • ■疾患メモ

    四肢の筋膜より深層を流れる静脈にできた血栓を深部静脈血栓(deep vein thrombosis:DVT)という。多くは静脈の弁や下腿の静脈から発生し,中枢部に向かって伸びていく。

    2011年の疫学調査では,日本でのDVTの診断数は19.2人/10万人・年と推計されている。

    DVTの最も重要な続発症は肺塞栓症である。肺塞栓症とDVTは1つの連続した病態であり,両者をまとめて静脈血栓塞栓症と呼称する。

    重篤な肺塞栓症を合併した場合には致死的となりうる。一方,広範なDVTでは遠隔期に下肢の慢性静脈うっ滞を呈する静脈血栓後遺症をきたすことがある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    片側性の下肢腫脹が最も多い症状である。血栓が下腿に限局すれば足部の腫脹にとどまるが,大腿静脈レベルで閉塞が生じれば腫脹は下腿へ及び,骨盤内静脈が閉塞すれば下肢全体が腫脹する。疼痛を伴うことも多く,立位や歩行により増悪する。

    非完全閉塞血栓や十分な側副路が存在する場合は症状が軽微なことが多い。非典型的な症状でも患者背景や発症状況によっては本症を鑑別に入れる。

    【検査所見】

    血清Dダイマーがスクリーニングに有用であり,ELISA法で500μg/L未満ではDVTの可能性はほとんどない。しかし特異度は低く,術後1週間以内の患者や敗血症など多くの状況で上昇する。

    確定診断には下肢静脈エコーが用いられる。下肢静脈エコーは非侵襲的で,DVTに対する感度95%,特異度98%と非常に高い診断率を示す。

    骨盤内血栓の診断には造影CTが行われる。静脈エコーでは検出しえない下大静脈および骨盤内静脈の診断にも有効であり,さらに大腿から膝窩のDVTも静脈エコーと同等の検出力で明瞭に描出できる。

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