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便秘

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-12
上野浩一 (慶應義塾大学医学部救急医学教室)
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  • ■治療の考え方

    便秘とは,糞便が大腸内に溜まっているにもかかわらず,何らかの原因により正常な排便が行われないことを言う。ただし,どの程度を正常な排便と言うかについては個人差があり,便秘を厳密に医学的に定義することは困難である。

    慢性便秘は,週3回未満の排便回数の減少かつ/または排便困難を呈すること,と定義されることがある1)

    救急の現場でも,便秘を主訴に救急搬送されるケースはあるが,比較的急性に発症し,かつ随伴症状(バイタルサインの異常,著しい腹痛,血便,発熱など)を伴う場合には,腸管内外の器質的疾患が背景にある続発性の便秘を考慮し,バイタルサインの安定化,原病の検索や初期治療を優先する必要がある。

    ■病歴聴取のポイント

    【発症様式】

    おおむね1カ月以上にわたる慢性便秘と急性便秘に分類して考える。

    原因:腸管の機能的異常が主な原因である原発性と,腸管内外の器質的疾患や薬剤などが主な原因である続発性に分類する。

    続発性の急性便秘には早急な治療を要する場合があり,これらを的確に診断する。

    【随伴症状】

    排便の有無だけでなく,腹痛,嘔気,嘔吐,血便,発熱,体重減少,月経異常,性器不正出血などの随伴症状がないかを的確に問診する。

    【その他】

    開腹手術,帝王切開やイレウスの既往歴について問診する。

    オピオイド,抗精神病薬,向精神薬,抗コリン薬など便秘の原因となりうる薬剤の服用や,甲状腺機能低下症などの内分泌疾患,神経・筋疾患,アミロイドーシスなど全身疾患の有無を問診する。

    ■バイタルサイン・身体診察のポイント

    【バイタル】

    バイタルサイン異常を1つでも認める場合は,続発性便秘の可能性が高い。バイタルサインの安定化を図るとともに,原因疾患の検索を進める。

    【身体診察】

    腹部診察・直腸診のみならず,全身を診察する(全身疾患による続発性便秘)。

    高齢者や精神疾患患者においては,器質的異常を伴っていても圧痛や腹膜刺激症状などの身体所見に乏しい場合があり,注意が必要である。

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