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分子イメージングによる放射線治療の高精度化【超偏極法を用いたMRI分子イメージングは,治療効果の早期判別の可能性を有する】

No.4901 (2018年03月31日発行) P.57

原田 浩 (京都大学放射線生物研究センター がん細胞生物学分野教授)

松尾政之 (岐阜大学大学院医学系研究科腫瘍制御学講座放射線医学分野教授)

登録日: 2018-03-28

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  • 「分子イメージング」とは何でしょうか。また,これから放射線治療をさらに高精度化するにあたって,分子イメージングにどのような期待が集まっているでしょうか。
    岐阜大学・松尾政之先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    原田 浩 京都大学放射線生物研究センター がん細胞生物学分野教授


    【回答】

    「分子イメージング」とは,生体内の分子の動きや働きを可視化することにより,これまで観察できなかった生命現象や病気を可視化する方法です。現在,臨床で活用されている分子イメージングの代表格がPET(陽電子断層画像法)検査です。PET検査では,ブドウ糖の類似物質であるFDG(フルオロデオキシグルコース)を分子プローブとし,FDGが腫瘍組織でよく取り込まれる作用を利用してがんの診断に役立てています。

    一方,核磁気共鳴画像化法(MRI)においては,「超偏極」というMRIの感度を数万倍増幅する技術が開発され,分子イメージングに利用されはじめています。この超偏極技術により13C標識された生体内分子の挙動をリアルタイムで分子イメージングできるようになってきました。

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