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患者由来腫瘍組織のライブラリーを構築、希少がん治療薬の開発につなげる―国立がん研究センターなど

登録日: 2018-02-22

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国立がん研究センター、医薬基盤・健康・栄養研究所、LSIメディエンス社による研究グループは21日、共同会見を開き、新規抗がん剤の開発を目指し、マウスライブラリーの整備事業を開始すると発表した。「患者腫瘍組織移植モデル」(patient-derived xenograft:PDX)と呼ばれる手法を用い、日本人患者由来の腫瘍組織を免疫不全マウスに移植して患者の病態を再現し、新薬候補化合物の有効性を効率的に評価する。

従来の抗がん剤開発に用いられるがん細胞株は、元のがん組織の特性が失われているため、マウス実験による臨床効果の予測能は5%程度にとどまる。一方、PDXモデルマウスでは、腫瘍組織が人体に近い環境のまま継代維持され、予測能は50~80%程度とされている。

欧米ではPDXマウスの大半は外科手術検体から作成されており、抗がん剤治療後の耐性期から樹立されたものは少ない。これに対しライブラリー整備事業では、患者の同意が取れた場合には、耐性期からのPDXマウス作成も行う。5大がんだけでなく、臨床試験を組むことが難しい希少がんのPDXマウスも作成する。事業の実施期間は今年3月から2020年5月末までを予定している。

国がん研究センターの間野博行研究所長は、事業の意義について「希少がんのライブラリーは世界にほとんどなく、日本が先鞭をつける形になる。薬剤耐性の克服に向けた全く新しい治療の開発にもつながりうる」と強調した。

グループの研究者らは、ライブラリーの構築によりPDXモデルの創薬で「欧米に追いつき追い越す」と意欲を見せた

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