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(1)Ⅰ 内臓悪性腫瘍の皮膚病変─1 皮膚転移群,がん皮膚転移[特集:皮膚病変でみる内科疾患]

No.4887 (2017年12月23日発行) P.26

松田秀則 (日本医科大学武蔵小杉病院皮膚科)

安齋眞一 (日本医科大学武蔵小杉病院皮膚科教授)

登録日: 2017-12-20

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  • 転移性皮膚癌の出現頻度は内臓悪性腫瘍全体の約3~6%とされ,原発巣としては肺癌(34%)と乳癌(30%)で全体の2/3を占める

    転移性皮膚癌は内臓悪性腫瘍の末期にみられることが多く,乳癌を除いては一般的に予後不良である

    内臓悪性腫瘍の初発症状として皮膚病変が出現することがあるため,その診断は予後判定の点において重要である

    症 例

    86歳,女性。主訴:頭部および腰部にある皮膚腫瘍(図1)

    【家族歴】 特記事項なし
    【既往歴】 腎腫瘍(69歳時)
    【薬剤歴】 ‌アゼルニジピン,エピナスチン,アルギン酸ナトリウム,エソメプラゾール,オルメサルタン
    【現病歴】 ‌2000年,右S6領域肺癌の診断にて,右上葉を切除されるも再発した。カルボプラチン+パクリタキセル,ビノレルビン,ゲフィチニブなどの化学療法を実施されたが反応が弱かった。2009年11月よりペメトレキセドを8コース投与されるも,骨髄抑制のため治療は中止された。2011年1月よりエルロチニブ投与を開始し,partial responseが得られたため外来にて経過観察となっていたが,2017年再診時,頭部と腰部皮膚に転移を疑う皮膚結節が出現していた。このため5月20日診断目的にて当科初診となり,治療方針を決定する目的にて局所麻酔下において頭部皮膚腫瘍を切除した(図2)。

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