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(6)Ⅰ内臓悪性腫瘍の皮膚病変─2 腫瘍随伴皮膚病変 ⑤腫瘍随伴性天疱瘡/粘膜類天疱瘡[特集:皮膚病変でみる内科疾患]

No.4887 (2017年12月23日発行) P.36

石井文人 (久留米大学医学部皮膚科准教授)

登録日: 2017-12-21

最終更新日: 2017-12-19

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  • 腫瘍随伴性天疱瘡(PNP)は,悪性ないし良性腫瘍に随伴する自己免疫性水疱性疾患の一型である。主に血液系の腫瘍に随伴する

    粘膜類天疱瘡(MMP)は表皮基底膜部に対する自己抗体によって引き起こされる比較的稀な自己免疫性水疱症であり,粘膜のみもしくは粘膜優位に病変を生じる疾患群である

    症 例

    〈症例1〉79歳,女性。主訴:口唇,口腔内のびらん(図1)


    【家族歴】 特記事項なし
    【既往歴】 糖尿病,洞性頻脈
    【薬剤歴】 特記事項なし
    【現病歴】 ‌X年2月頃より口腔内にびらんを生じ,近医Aにてヘルペスの診断で治療を受けるも軽快せず,近医内科Bを受診した。Stevens-Johnson症候群を疑われ,近医皮膚科Cを紹介され,天疱瘡を疑い精査加療目的で当院へ紹介受診となった。抗デスモグレイン(Dsg)1抗体:陰性,抗Dsg3抗体:陽性(Index値:97.0)。

    〈症例2〉68歳,男性。主訴:歯肉・頬粘膜のびらん(図2)


    【家族歴】 特記事項なし
    【既往歴】 右腎癌(右腎摘出,63歳時)
    【薬剤歴】 特記事項なし
    【現病歴】 ‌初診の約1年前に上下顎歯肉全体の発赤を近医歯科Dで指摘され,口腔扁平苔癬を疑い,精査加療目的で当科へ紹介受診となった。抗BP180抗体:陽性(Index値:36.0)。

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