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インフルエンザ抗原検査は治療開始後どの程度で陰性化するのか?【治療薬の即効性や診断キットの感度の問題により,治療開始後早期の陰性はありうる】

No.4886 (2017年12月16日発行) P.64

青木洋介 (佐賀大学医学部国際医療学講座国際医療・臨床感染症学分野教授/佐賀大学医学部附属病院感染制御部部長)

登録日: 2017-12-15

最終更新日: 2017-12-12

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  • 発熱した日に他院で検査をせずにインフルエンザと診断され,抗インフルエンザ薬を投与された成人が,症状は速やかに改善したものの,確定診断を希望して2日後に当院に来院しました。インフルエンザ抗原検査は陰性でした。インフルエンザの発症早期に治療を開始した場合に抗原検査が陽性にならないことがあるのでしょうか。

    (千葉県 K)


    【回答】


    オセルタミビルなどの特異的インフルエンザ治療薬を使用した場合,迅速抗原検査(rapid influenza diagnostic test:RIDT)が陰性を示す可能性は十分にあります。

    (1)特異的治療薬の抗ウイルス活性

    オセルタミビルのインタビューフォームによると,健常人を対象とした二重盲検試験での検討により,同薬1回100mg 1日2回投与では治療開始後平均47時間で鼻汁中のインフルエンザウイルスは消失しています。1回20mg 1日2回投与でも58時間後には消失しています。これに対しプラセボ群では消失までに107時間を要しています(投与開始後5日目)(表1)1)2)

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