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A群レンサ球菌性咽頭・扁桃炎の反復感染について【反復感染の個人差は解明されていない。迅速検査では保菌者の存在に注意が必要】

No.4874 (2017年09月23日発行) P.54

疋田敏之 (ひきた小児科クリニック院長/帝京大学医学部小児科客員研究員)

西 順一郎 (鹿児島大学大学院医歯学総合研究科微生物学分野教授)

登録日: 2017-09-20

最終更新日: 2017-09-19

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  • A群レンサ球菌(group A Streptococcus:GAS)による咽頭炎はすべての人が罹患する可能性があると思います。しかし,感染を繰り返す人と感染しない人がいるようです。感染しやすい宿主の特徴など研究されているのでしょうか。また,5~15歳程度が多く,同胞が罹患していても乳児が罹患することは稀なようです。乳児は母体からの移行抗体により防御されているのでしょうか。鹿児島大学・西 順一郎先生にご教示頂きたく存じます。

    【質問者】

    疋田敏之 ひきた小児科クリニック院長/ 帝京大学医学部小児科客員研究員


    【回答】

    ご指摘のように,反復感染例には個人差があるように思われますが,明らかな宿主側因子はこれまで報告されていません。ただ,GASは家庭内でも伝播するため,同胞の存在が反復感染につながりやすいことは以前から指摘されています。

    反復感染と特定のヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)タイプに関連があるという海外の報告がありますが,人種差もあり普遍性があるとは言えません1)。最近,GASのM蛋白質(M1)が,ヒト血液型抗原のO型(H抗原)にA・B・AB型より結合しやすいことが報告されています2)。血液型抗原は気道粘膜上皮にも発現しており,個人差の解明につながるかもしれません。

    ご存じのように,GASの感染防御には,M蛋白質に対する型特異的抗体が重要です。M型は130以上あり,小児は異なる型のGAS咽頭炎を繰り返します。また,発症から2週以内に約6%が再燃し3),発症時と同じM型によることが知られており4),型特異的免疫獲得が不十分なためと推定されます。

    このような真の再発例とは別に,反復感染例の中には,本来はウイルス感染にもかかわらず,咽頭からGAS保菌株が検出されGAS感染症と誤解されている例も多いことが指摘されています5)。小児のGASの無症候性保菌率は5~20%と高く,GASが検出されたからといってGAS感染症とは限りません。

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