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NSAIDsの消炎効果と鎮痛効果から服用のタイミングをどう考えるか? 【慢性疾患と急性疾患で使い分ける】

No.4846 (2017年03月11日発行) P.63

齋藤和義 (産業医科大学医学部第1内科学講座准教授)

登録日: 2017-03-07

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  • NSAIDsの消炎効果と鎮痛効果について教えて下さい。たとえば急性の関節痛に対してNSAIDsを内服する場合,痛みが軽減しても炎症を抑えるために治癒するまで内服したほうがよいのでしょうか。あるいは痛いとき中心の頓用内服でよいのでしょうか。定期内服と頓用内服で改善までの時間に差はあるのか,また慢性の関節痛などの場合はどうでしょうか。

    (質問者:千葉県 K)


    【回答】

    関節炎では,通常,炎症所見(発赤,熱感,腫脹,疼痛)を伴います。この炎症は,関節局所で産生されるプロスタグランジン(prostaglandin:PG)が引き起こします。2種類のシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase:COX)がPGの産生に関わりますが,COX-1には胃粘膜保護,腎血流維持などの重要な役割があり,COX-2が主として発赤,熱感,腫脹,疼痛などを引き起こすことがわかっています。従来のNSAIDsは,COX-1,COX-2ともに抑制することにより炎症を抑えるものの,COX-1阻害による胃粘膜・腎障害などの問題が存在していました。

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