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慢性疼痛の制御【副作用の違いを念頭に置いて多様な薬物で対処するのが,最近の制御策】

No.4832 (2016年12月03日発行) P.52

川合眞一 (東邦大学内科学講座膠原病学教授)

登録日: 2016-11-30

最終更新日: 2016-11-28

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関節痛や筋痛などの慢性疼痛は,広くリウマチ膠原病疾患に共通した症状である。以前は関節リウマチ(RA)には当たり前のように非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使われてきたが,消化管・腎・心血管系などの重症副作用も少なくなかった。また,近年進歩した抗リウマチ薬には,NSAIDsにはるかにまさる抗炎症効果があることから,RA治療におけるNSAIDsは鎮痛薬のひとつとしてとらえる見方が必要となった。

がん患者の疼痛治療は,一般にWHOによる3段階除痛ラダーが有名であるが,慢性疼痛の治療についても多様な薬物選択1)による疼痛制御が望まれている。慢性疼痛はリウマチ膠原病疾患や線維筋痛症などに加え,超高齢社会となったわが国では,骨粗鬆症や変形性関節症のような,加齢に伴って急速に罹患率が高くなる疾患が大きな問題となっている。

慢性疼痛対策は,軽症例には,効果は弱いが安全性が高く安価なアセトアミノフェンかNSAIDs外用薬,高度な疼痛にはオピオイドを有効に使用するのがよい。

NSAIDs内服薬は中間に位置するが,重症副作用は特に高齢者で問題となるため,ほかの選択を考慮することも少なくない。症状によってはプレガバリンやワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(神経障害性疼痛治療薬),カルバマゼピン(抗てんかん薬),デュロキセチン(抗うつ薬)などを有機的に使うなど,それぞれ異なる副作用の違いを考慮しつつ多様な薬物で対処するのが,最近の慢性疼痛制御策と言えよう。

【文献】

1) 浦部晶夫, 他, 編:今日の治療薬 2016. 南江堂, 2016, p266-73.

【解説】

川合眞一 東邦大学内科学講座膠原病学教授

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