株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

食事摂取基準「大量のエビデンスに基づき作成」【東大・佐々木氏】

No.4830 (2016年11月19日発行) P.15

登録日: 2016-11-14

最終更新日: 2016-11-16

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本医師会などが主催する「食育健康サミット2016」が10日に開催された。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の策定で中心的な役割を果たした佐々木敏氏(東大、写真)がそのポイントを解説し、「今回の食事摂取基準は大量の疫学・実験栄養学のデータを用いて科学的・実践的に作成された」と強調した。

佐々木氏は2015年版基準の主なポイントとして、①エネルギーは体重の変化で管理する、②一次予防だけではなく重症化予防も対象に含まれる、③食習慣アセスメントに基づく食事管理が重要─などを列挙。

①の体重によるエネルギーの管理については、2015年版では必要エネルギー量の指標が従来のカロリーから目標とする体格(BMI)に変更になったことを紹介。エネルギー摂取量は過少申告される傾向があり、個人でも日によって変動が非常に大きく把握が困難であると指摘した。

目標となるBMIの上限は、18歳以上は共通して24.9と定められており、下限は18〜49歳が18.5、50〜69歳が20で、70歳以上は21.5と上昇する。70歳以上の目標値について佐々木氏は、BMIが低過ぎると肺炎の増加などにより死亡率が高くなり、BMIが高ければ高血圧などのリスクを抱えることを指摘し、「元気で同じ寿命を全うするのであれば低めのBMIが良い」と説明。

このほか、日本人の食物繊維摂取量は1950年から減少傾向が続いていることや、日本はアメリカ、イギリスに比べ食塩摂取量が多いことを紹介した。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top