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100kcalで考える 食事指導BOOK メタボ対策から介護食まで

専門スタッフのいない診療現場での食事指導の悩みを解決!

定価:4,180円
(本体3,800円+税)

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監修: 戸山芳昭(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター所長)
判型: A4判
頁数: 156頁
装丁: 2色刷
発行日: 2011年04月15日
ISBN: 978-4-7849-4055-4
版数: 第1版
付録: -

生活習慣病のコントロールに重要な食事療法について、慶應義塾大学スポーツ医学研究センターの食事指導のシステムをもとに、専門スタッフのいない診療現場での食事指導を念頭に編集。100kcal、100gといった一般人が把握しやすい単位を用い、食品の栄養成分の把握を容易にすると同時に、食事を「主食、主菜、副菜」にわけて構成。何をどれだけ食べればよいかなど、患者指導ツールとして、外来診療で是非ご活用下さい!

目次

第1章    特定保健指導・食事指導の前に押さえておきたい基礎知識
(1)診療ガイドラインと食事療法の基礎知識
1 高血圧 ─「高血圧治療ガイドライン2009年版」(日本高血圧学会)のポイント
2 肥満症 ─「肥満症治療ガイドライン2006」(日本肥満学会)のポイント 
3 糖尿病 ─「糖尿病治療ガイド2010」(日本糖尿病学会)のポイント
4 脂質異常症(動脈硬化性疾患)─「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」(日本動脈硬化学会)のポイント 
5 慢性腎臓病(CKD) ─「CKD診療ガイドライン2009」(日本腎臓学会)のポイント 
6 高尿酸血症・痛風 ─「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン2010」
        (日本痛風・核酸代謝学会)のポイント
7 骨粗鬆症 ─「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006」のポイントと
        食事指導の注意点 
8 メタボリックシンドローム診断の基礎知識 

(2) 食事と栄養指導のために医師が知っておきたい知識
1 食事と栄養の原則
2 メタボリックシンドローム治療の考え方
3 「日本人の食事摂取基準[2010年版]」の考え方
4 食事バランスガイドの考え方
5 日本食品標準成分表の考え方 

第2章    食事と栄養指導の実践編 ─ 食事指導の優先順位を念頭に
(1)食事と栄養指導
1 食事指導・栄養指導に際して知っておきたいこと
2 ユニバーサルデザインの食事
3 ダイエットデザインハウス ─ その考え方

(2)ダイエットデザインハウスの治療食への応用
1 ダイエットデザインハウスで考える治療食
2 糖尿病・肥満症
3 脂質異常症

第3章    生活習慣病の指導に使える記録表とアドバイスカード
1 患者さんに自己管理をしっかりしてもらうために
    ─ 記録表とアドバイスカードの活用 
2 アドバイスカード ─ 患者さんの説明に活用しましょう
食事指導の際に知っておきたい!お役立ちコラム
介護食についての基礎知識Q&A ─ 高齢者の食における問題と対処法

第4章    食品データ集
1 100kcal食品・食事交換表
    ─ その見方と使い方および各食品分類の100kcal食品・食事交換表
主食
主菜
副菜
低エネルギー食品

菓子類
塩分を含む調味料 

2 食品100kcal当たりの栄養成分含有量順位表 ─ その見方と使い方
飽和脂肪酸含有量の多い食品50
n-3系多価不飽和脂肪酸含有量の多い食品50
n-6系多価不飽和脂肪酸含有量の多い食品50 
コレステロール含有量の多い食品50
水溶性食物繊維含有量の多い食品50
不溶性食物繊維含有量の多い食品50
カルシウム含有量の多い食品50
鉄含有量の多い食品50
亜鉛含有量の多い食品50
ビタミンD含有量の多い食品50
ビタミンB1含有量の多い食品50
ビタミンB2含有量の多い食品50
グリセミックロード
プリン体含有量
トランス脂肪酸含有量

3 外食栄養評価表─ 100kcal当たりの外食栄養評価表の見方と使い方

4 濃厚流動食品

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序文

監修のことば

€ 「食事療法の指導は難しい」というのは、多くの臨床医の実感であろう。特に、専門スタッフのいない医療機関では「腹八分目」「バランスよく食べる」といった曖昧な指示が出されることも少なくないのではないかと思われる。

本書は、慶應義塾大学スポーツ医学研究センターが長年研究してきた食事指導のシステムをもとに、主に専門スタッフのいない診療現場での食事指導を念頭に編纂したものである。メタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病のコントロールに、食事療法がきわめて重要な位置を占めることは言うまでもない。本書は、各学会の診療ガイドラインが推奨する食事療法の内容をまず概観し、これを実践するために新しい栄養指導のシステムを提唱している。通常、食品の栄養成分表示は三大栄養素を重量で記載するため、医師や患者には馴染みにくく、しかも三大栄養素をエネルギー比率で表わす学術的エビデンスを応用しにくいという難点があった。本書では、100kcal、100gといった一般人が把握しやすい単位を用い、食品の栄養成分のエネルギー比率を明らかにすると同時に、食事を「主食、主菜、副菜」にわけて構成し、医師や患者が短時間で理解しやすい栄養指導を心がけた。
また、日常診療で患者へのアドバイスに役立つツールとして、血圧、体重、食事の自己モニター表やアドバイスカード、さらに介護食に関する具体的な知識をまとめた。個々の食品に関する栄養成分表も食事療法に重要な項目に絞るなど、様々な工夫を凝らしており、手に取ってゆっくり眺めて頂くと発見が多く、栄養学を身近に感じて頂けるものと思う。患者のセルフケアに依存する部分の多い食事療法について、医師から有効なアドバイスができるよう配慮された類書のない内容になったものと確信する。
本書を日常臨床でご活用頂き、わかりやすい栄養指導の一助となれば幸甚である。

2011年3月10日
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター所長/慶應義塾常任理事 戸山芳昭


はじめに

慶應義塾大学スポーツ医学研究センターでは、平成元年の設立以来、誰でも簡単に理解できる「ユニバーサルデザイン」の栄養指導のシステムを研究してきました。その目標は、スポーツ医学の2つの重要なターゲットである運動選手と生活習慣病患者に対

し、理解しやすい指導システムを確立することでした。
慶應義塾では、慶應3年(1867)に福沢諭吉先生が西欧の日常生活を絵解きした「西洋衣食住」を刊行し、大正6年(1917)の医学部創設後は大正13年(1924)に財界の援助で「慶應義塾食養研究所」が併設されています。また戦後は、昭和27年(1952)の「食餌療法(日本内科全書)」(大森憲太)、昭和50年(1975)の「慶應義塾大学病院治療食指針」の刊行など、一貫して食事療法の研究が進められてきた伝統があります。
スポーツ医学研究センターや大学病院・スポーツ医学総合センターでは、開設以来、本書の栄養指導システムを用いて生活習慣病患者や運動選手に栄養指導を行い、成果を上げてきました。また最近では、小・中学校での食育や、ヘルパーおよび介護福祉士の食教育でもこのシステムを使用し、わかりやすいと好評を得ています。「日本人の食事摂取基準[2010年版]」や、特別用途食品の「総合栄養食品」、「乳児用調整粉乳」の許可基準、さらには、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」の食事療法など、最近の食事指針の多くは栄養素の配分をエネルギー比率で表わしています。本書の指導システムは、こうした指針や学術的エビンデンスを実践に応用するのに適しており、今後、栄養指導のプラットフォームの1つになるものと考えています。
本書が各分野の先生方のご協力で刊行できたことは、この部門の前担当責任者として望外の幸せです。本書を栄養指導の教材としてご活用頂き、生活習慣病の予防・治療や介護にお役立て頂ければ幸いと考えます。

2011年3月10日
慶應義塾大学名誉教授 山崎 元

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レビュー

【書評】 何をどれだけ食べればよいか? など患者指導ツールとして外来診療で是非活用したい1冊

白井厚治(東邦大学医療センター佐倉病院内科・血管機能学教授)
健康管理上、食事療法は大切であり効果も発揮するが、その修正、矯正は非常に難しい。メタボリックシンドロームも定着しつつあり、減量でよくなることは分かりつつも、では実際どのような食事をしたらよいのかを指導、実施させることは実に困難を極める。まずはエネルギー摂取を減らすことであるが、エネルギーだけでよいのか、あるいは蛋白:脂質:糖質比(P:F:C比)を考慮したメニューは提示できないのかという問題が、実は置き去りにされてきた。これまで置き去りにされていた理由の1つは、栄養指導方法が煩雑すぎて実施が困難であった点も否定できない。
本書はこれに対して、まず総エネルギー計算を、これまでの80kcalを1単位とする計算法から、1単位100kcalを1単位とする計算方式に変えることで単純化を図っている。それに加えて、P:F:C比をカロリー比で表示しているため、簡単に1単位100kcal当たりのP:F:C比を計算できるのである。
P:F:C比は一見面倒なこと、あるいはすでに確立されているかに思われているが、実は十分検討されていない。欧米では、減量食などに高蛋白・低糖質が推奨され始めている。我が国で糖質60%を金科玉条としていることに疑問が持たれるが、本書を用いてそれらのメニュー作成と評価を行うことで、P:F:C比の問題に一石を投じることができると期待が持てる。
ありがたいことに本書は、最初に各種生活習慣病に対する各学会からの提言を一覧にし、分かりやすくサマライズしている。また、多くの栄養学に関する常識についても、押しつけがましくなく、分かりやすく解説されている。実際の効果についても実施者が分かるように、記録の取り方なども丁寧に記録用紙の例を示している。外来医師が手軽に読め、栄養指導も実施可能になると思われる。栄養士のみならず、医師、看護師、理学療法士にも是非携えていてもらいたい1冊である。

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